信号無視で事故した場合の過失割合について

信号無視で事故した場合の過失割合について

信号無視による事故では、信号無視をした側の過失割合が100%となるケースが多いでしょう。しかし、状況によっては双方に過失が認められることもあります

過失の有無や割合は、賠償金の額や示談交渉の進め方に大きな影響を与えます。事故において、過失割合がどの程度になるかを理解しておくことは重要です。

今回は、信号無視の交通事故について、基本となる過失割合を紹介したうえで、過失割合が100対0の事故における注意点を解説します。信号無視による事故に遭ってしまった方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

信号無視の過失割合は100対0が基本

道路を通行する歩行者や車両には、信号機の指示に従う義務があります(道路交通法7条)。信号無視は道路交通法違反の行為であるため、信号無視をして交通事故を起こした場合には、信号無視をした側に100%の過失が認められるのが基本です。

ただし、信号無視による交通事故であっても、相手側も信号無視をしていた場合や信号の変わり目であった場合には、相手側にも一定の過失が認められます。

ここでは、当事者の一方もしくは双方の信号無視による交通事故について、基本となる過失割合を紹介します。

直進車同士の事故

直進車同士の事故では、信号無視をした側に100%の過失が認められます。双方が信号無視をしていた場合には、過失割合が50対50になります。

右折車と直進車の事故

右折車と直進車の事故は、信号の変わり目で起こりやすいです。右折車と直進車の事故について信号の状況と双方の過失割合を表でまとめると、次のようになります。

右折車直進車
右折車が青、直進車が赤0100
右折車が青で交差点に侵入して赤に変わった後に右折(直進車は赤)1090
右折車が黄で交差点に侵入して赤に変わった後に右折(直進車は赤)3070
右折車と直進車ともに黄6040
右折車と直進車ともに赤5050
右折車と直進車ともに青8020

黄信号は停止が原則となるため、青信号で交差点に侵入した場合よりも過失が高くなります。右折車は直進車に比べて重い注意義務が課されるため、信号の色が同じ場合には右折車の過失が高くなります。

直進する自動車と自転車の事故

自動車と自転車の事故では、同じ状況であれば自動車同士の事故よりも自動車の過失割合が高くなります。

自動車自転車
自動車が赤、自転車が青1000
自動車が赤、自転車が黄8020
自動車と自転車ともに赤7030
自動車が黄、自転車が赤4060
自動車が青、自転車が赤2080

自動車と自転車の事故の場合、自転車側だけが信号無視したケースでも自動車側に過失が認められます自動車を運転する際は、たとえ青信号であっても自転車や歩行者に注意しなければなりません。

直進車と歩行者の事故

自動車との関係において、歩行者は「交通弱者」です。そのため、自動車と歩行者との事故では、自動車の過失割合が高くなります。

自動車歩行者
自動車が赤、歩行者が青1000
自動車と歩行者ともに赤8020
自動車が青、歩行者が赤3070
直進車が青、歩行者が青で横断中に赤に変わった8020

自動車と歩行者の事故の場合、歩行者が一方的に信号無視したケースでも自動車側に30%の過失が認められてしまいます。

右左折車と歩行者の事故

右左折車と歩行者の事故では、直進車と歩行者の事故よりも、自動車側の過失が高くなりやすいです。自動車を運転する際は直進時よりも右左折時により注意する必要があります。

自動車歩行者
右左折車が青、歩行者が赤5050
右左折車が青、歩行者が黄7030
右左折車が黄、歩行者が赤7030
右左折車と歩行者ともに黄8020
右左折車と歩行者ともに赤8020
右左折車と歩行者ともに青1000

直進する自転車と歩行者の事故

自転車と歩行者との事故では、自転車側の過失が高く認定されやすいです。

自転車歩行者
自転車が赤、歩行者が青1000
自転車が赤、歩行者が黄8515
自転車と歩行者ともに赤7525
自転車が黄、歩行者が赤4060
自転車が青、歩行者が赤2080

青信号で横断中の自転車が信号無視の歩行者と事故を起こしたときには、自転車側にも20%の過失が認められてしまいます。自転車の利用者は、保険に加入していない人も少なくありません。自転車を正しく利用していても、賠償責任を負うリスクはあります。自転車保険に加入することは、歩行者だけでなく自転車を利用する人にとっても重要と言えるでしょう。

過失割合が100対0の事故についての注意点

過失割合が100対0の事故では、加害者側の保険会社と示談交渉する際に、被害者側の保険会社を利用できません

保険会社が示談交渉を代行できるのは、自社が保険金を支払う場合のみです。過失割合が100対0の事故の場合、被害者側の保険会社は保険金を支払う立場にないため、示談交渉の代行ができません。

しかし、被害者自身が加害者側の保険会社と示談交渉するのには、リスクがあります。被害者と保険会社とでは、示談交渉の知識や経験に大きな差があります。そのため、被害者自身が示談交渉をすると、保険会社の言うがままに、不利な条件で示談してしまう可能性が高いでしょう。

保険会社の提案に流されず、適切な条件で示談交渉を進めるには、弁護士への相談がおすすめです。交通事故の経験が豊富な弁護士に依頼することで、泣き寝入りをせずに適正な賠償金を受け取れるようになります。

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