駐車している車が当て逃げされていた場合の対処法と流れ
あなたの駐車中の車が当て逃げにあっていた場合、その対応にお困りではありませんか？交通事故が発生した場合、適切な対応が求められます。しかし、駐車中に当て逃げされたことが判明した場合、どのような対応をすべきなのでしょうか？
本記事では、駐車している車が当て逃げされていた場合の対処法と、その後の交通事故の処理の流れについて解説します。
駐車している車が当て逃げされていた場合の対処法
駐車している車が当て逃げされていた場合の対処法を確認しましょう。
怪我人の救護および道路の安全の確保
怪我人の救護および安全の確保と、道路の安全を確保します。
道路交通法第72条第1項前段は、交通事故の運転手等について、怪我人がいる場合の怪我人の救護、道路の安全を確保するための措置を取る義務について規定しています。駐車中の車に乗っていた人や同乗者、または通行人が巻き込まれて怪我人が発生している場合は、まず怪我人の救護を行います。また、停止板を設置するなどして、二次事故を防止するための措置を講じます。
警察・消防に連絡をする
次に警察・消防に連絡をします。
道路交通法第72条第1項後段は、交通事故について警察に知らせる義務を規定しています。条文には様々なことが定められていますが、まずは110番通報を行います。怪我人がいる場合には消防に連絡をして救急車の要請もしましょう。通報時に場所の確認を求められることがあるため、近くの電柱や自動販売機に記載された住所表示を確認しておくとよいでしょう。
警察が作成する事故証明書や実況見分調書は、損害賠償請求において重要な証拠となるため、必ず警察に連絡してください。
証拠集め
次に証拠集めをしておきましょう。
車両の損傷の状況や、道路の状況、ブレーキ痕やスリップ痕などの写真は、後に損害賠償請求をする際の証拠に利用できる可能性があります。そのためきちんと集めておきましょう。ドライブレコーダーを搭載している場合は、映像を必ず保存しておきましょう。近くに店舗などがあり、防犯カメラに事故の様子が記録されている場合は、その映像を入手することも効果的です。また事故の目撃者がいる場合には、連絡先を聞いておきましょう。
自分が加入している保険会社に連絡
自分が加入している保険会社に連絡します。
契約内容によってどのような補償を受けられるかや、その後の流れを確認しておきましょう。怪我をしている場合は、まず診断書の取得が必要となることもあります。
時間が経ってから気づいた場合
駐車中の車が当て逃げにあったにもかかわらず、損傷が軽微であったり目立たない場所に衝突されたため、後になって気づく場合もあります。ドライブレコーダーや当てられたかもしれない場所が写っている防犯カメラの動画などを確認して、なるべく早く証拠を収集し、警察に届け出るようにしましょう。
当て逃げされた後の損害賠償請求の流れ
当て逃げされた後の損害賠償請求の流れを確認しましょう。
当て逃げされて犯人が見つからない物損事故
当て逃げされて犯人が見つからない物損事故については、自分で修理費用を負担する必要があります。もっとも自分が加入している保険の利用ができる場合があるので、保険会社に確認してみましょう。自分が加入している自賠責保険はこの場合利用ができません。後に犯人が見つかった場合にはかかった費用を請求できます。
当て逃げされて犯人が見つからない人身事故（ひき逃げ）
当て逃げされて犯人が見つからない場合で、怪我人がいる人身事故の場合、原則として自分で費用負担する必要があるのですが、自賠責保険に変わる政府保証事業の利用ができます。政府保証事業とは、自賠責保険が利用できない場合に被害者を保護するため、政府が行う制度です。利用にあたっては、保険会社との連携などが必要となります。また、自分が加入している保険で補償が受けられる場合もあります。
相手が見つかった場合
相手が見つかった場合は相手に対して損害賠償請求をします。もっともほとんどのケースで相手が加入している任意保険の保険会社と交渉することになります。保険会社は支払う保険金が少なくなるように様々な主張をするので、それらの主張が正しいかどうかを慎重に見極める必要があります。怪我の具合が重く後遺症が発生している場合には、後遺障害等級認定を行ったうえで示談交渉をする必要があることにも注意が必要です。弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
本記事では停車している車が当て逃げされていた場合の対処法について解説しました。
当て逃げにあった場合、運転者として果たすべき道路交通法上の義務を改めて確認し、万が一事故が発生した際に迅速に対応できるよう、参考資料としてブックマークしておくことをおすすめします。警察に知らせる義務があり、その後の損害賠償のために証拠を集めておくのがポイントです。後に相手への損害賠償をする場合に、保険会社と交渉する必要があり、その交渉は通常非常に難易度が高いです。弁護士に相談しながら交渉することをおすすめします。
