交通事故被害の相談は行政書士ではなく弁護士を選ぶ理由

交通事故被害の相談は行政書士ではなく弁護士を選ぶ理由

交通事故の被害にあった場合、損害賠償額の計算や保険会社の主張が正しいかどうかなど、法的な問題がたくさんあるので、弁護士に相談することをおすすめしています。ところで、インターネットで調べると、弁護士だけでなく行政書士が交通事故に関する相談を受けているのを目にしたことはありませんか?行政書士も、法律で認められた権限により交通事故に関する相談や特定の業務を行うことができますが、交通事故の被害に関しては弁護士に相談・依頼することをおすすめします

本記事では、交通事故被害の相談について、行政書士ではなく弁護士を選ぶべき理由を解説します。

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目次

交通事故において行政書士ができること

交通事故において行政書士ができることとして次の2つが挙げられます。

交通事故において行政書士ができること
  • 後遺障害等級認定の支援
  • 内容証明郵便の作成

行政書士の業務範囲を規定する行政書士法では、権利義務または事実証明に関する書類の作成(行政書士法第1条の2)、書類作成の代理(行政書士法第1条の3第3号)、および相談を受けること(行政書士法第1条の3第4号)が業務として認められています。この権限に基づいて、自賠責保険の請求をするための書面の作成や相手に送る内容証明郵便の作成が認められており、その相談として交通事故全般についての相談を行っています。

行政書士の中には、これらの業務に精通している人もおり、後遺障害等級認定を有利に進めてくれる可能性があります。なお、交通事故の被害にあった場合の弁護士費用特約は、行政書士に依頼する際の費用にも適用されることがあります。

交通事故において行政書士ができないこと

一方で交通事故が発生したときに行政書士が業務としてできないことも多くあります。代表的なものとしては次のものが挙げられます。

交通事故において行政書士ができないこと
  • 示談交渉
  • 裁判書類の作成
  • 裁判の代理
  • 内容証明に記載する内容についての相談

なお、内容証明の作成については相談に応じることができ、請求する権利をどのように内容証明に記載するかは行政書士の業務範囲に含まれます。一方、どのような権利があるかに関する相談は、行政書士の業務範囲外とされています。

これらの行政書士ができない業務を行政書士が行うと、弁護士以外の者が法律事務を業務として行うこと(非弁行為)を禁じる弁護士法第72条に違反し、刑事事件となる可能性があるため、注意が必要です。実際に、2010年2月10日に行政書士が示談交渉を行っていたことを理由に逮捕された事例もあり、違法な行為であることを認識しておく必要があります。

行政書士が交通事故において一部しか業務ができない理由

では、なぜ行政書士は交通事故において一部の業務しか行えないのでしょうか?

上述の弁護士法第72条は、法律の例外を除き、弁護士以外の者による法律事務の業務を禁止しています。

これは、法律事務を十分な知識を持たない者が行うことにより、国民が不利益を被ることを防止するためのものです。実際に、弁護士は法律に関する最難関の国家資格である司法試験に合格し、その後、司法修習という研修を経て法曹資格を取得することで弁護士となっています。一方で行政書士は比較的容易な試験に合格すればすぐに登録できます。

行政書士は、行政に提出する書類の作成を本来の業務としており、その範囲内で弁護士法の例外として認められています。民事法や民事訴訟法などの十分な基礎知識を有しない行政書士に交渉や裁判などの代理業務を任せると、適切な業務が行われず、依頼者が不利益を被る可能性があります。そのため交通事故において業務として認められるのは自賠責保険の請求と内容証明の作成のみとなっています。

保険会社との交渉は適切な示談金を得るために重要

行政書士が行えない保険会社との示談交渉は、適切な示談金を得るために極めて重要です。

保険会社は保険金の支払い額を下げるために様々な主張を行います。示談交渉ではそのすべての事項を適切に検討して、きちんと反論を行う必要があります。保険会社の担当者は示談交渉のプロであり、知識・交渉に慣れており、時には心無い対応で被害者が諦めるように誘導することもあります。適切な示談金を得るためには、保険会社ときちんとした交渉をする必要があります。

行政書士に依頼しても、交渉で負けてしまうと、適切な示談金を得られないので、同じく交通事故の知識・交渉のプロである弁護士に依頼することを強くおすすめします。

まとめ

本記事では、交通事故の被害に関する相談について、行政書士ではなく弁護士を選ぶべき理由を解説しました。

行政書士法で認められている権限によって行政書士も交通事故において被害者の支援をしていますが、その権限は交通事故の交渉の中では一部にすぎず、特に示談金の金額に大きく影響する示談交渉の代理ができない点に注意が必要です。弁護士は、交通事故の被害者に対して一切の制限なく包括的なサポートを提供でき、民事訴訟および示談交渉において確かな実績があります。早い段階から弁護士に相談することをおすすめします。

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