交通事故被害者のための医学的検証について

交通事故に遭った被害者の方々にとって、後遺障害の認定や損害賠償請求において「医学的検証」は非常に重要な意味を持ちます。骨折や神経損傷などの明らかな外傷だけでなく、MRI画像に写りにくい症状や、医学的因果関係が争点となるケースでは、専門的な医療画像解析や鑑定医の意見が必要不可欠です。
しかしながら、保険会社側には顧問医がいる一方で、被害者側には医学的知見を補強する体制が整っていないことも多く、不利益を被る事例も少なくありません。
当事務所では複雑で医学的検証が必要な事案では、医師や医療鑑定機関と連携することで被害者の権利保護に努めています。今回は、交通事故案件における医学的検証の重要性と活用方法について解説します。
医学的検証が交通事故案件で重要な理由
交通事故の被害者が適正な後遺障害認定や損害賠償を受けるためには、医学的な裏付けが不可欠です。骨折や神経損傷、脳へのダメージなど、交通事故によるケガや後遺症は多岐にわたり、医学的知見なしには正確な評価ができません。
そもそも、医師は診察や治療を行う専門家であり、交通事故と症状との因果関係を法的視点で判断する立場にはありません。一方、弁護士は法律上の主張や賠償請求を担当しますが、医学的診断や画像解析を専門とするわけではないため、事故との因果関係や症状の重篤度について、医学的検証の協力が必要となる場面が多いのです。
医学的検証を行うメリットと留意点
医学的検証を行うことで、事故によるケガや後遺症について、医学的根拠に基づいた裏付けを得ることができます。
これにより、後遺障害等級の認定で不当に低い評価を受けるリスクを減らし、適正な損害賠償を受ける可能性が高まります。
また、裁判や示談交渉においても、専門家による意見書があることで主張に説得力を持たせることができるため、納得のいく解決につながります。
ただし、医療画像鑑定機関や鑑定医は、あくまでも客観的・中立的立場から医学的検証を行う機関です。被害者に有利な結果を保証するものではなく、検証の結果、ご期待に沿わない結論となる可能性もあります。
しかしながら、中立的な立場で行われた検証だからこそ、意見書の信用性が高く、後遺障害認定や裁判において重要な役割を果たすことになります。
提携機関:メディカルリサーチの紹介
当事務所は医療画像鑑定のパイオニアであるメディカルリサーチ株式会社と提携し、複雑な医学的検証が必要な事案については鑑定や助言をお願いしています。
- 社名
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メディカルリサーチ株式会社
- HP
医療鑑定実績
まとめ
交通事故の被害者が適正な補償を受けるためには、法律と医学の両面からの検証が必要です。
しかし、弁護士は医学の専門家ではなく、画像診断や症状の医学的評価を自ら行うことはできません。また、医師も患者の治療を目的としており、後遺障害認定を得るために診療しているわけではありません。
このように、法律と医学の間には役割が異なります。だからこそ、両者をつなぎ、被害者の権利を守ることが弁護士の重要な仕事です。
豊橋法律事務所では、交通事故案件で複雑な医学的検証が必要な場合、医療画像鑑定機関や鑑定医と連携し、専門的知見を取り入れながら、被害者が正当な補償を受けられるよう尽力しています。