交通事故で裁判になるのはどんなケースですか?
交通事故の示談交渉に時間がかかっています。できれば交渉で終わらせたいのですが、交通事故で裁判になるのはどんなケースですか?
交通事故で裁判になるのは、事故態様に争いがあるケースや、後遺症が残って賠償金額が高額になるケースなどがあります。解決を急ぐのであれば交渉で終わらせる方法もありますが、納得のゆく解決を目指すには裁判も視野に入れるべきでしょう。
交通事故を解決する方法
交通事故を解決する方法には、次の4つがあります。
示談交渉
示談交渉は、相手との話し合いによる解決方法です。多くの場合、当事者それぞれが加入する保険会社の担当者を通じて交渉を進めることになります。
示談交渉は、交通事故の早期解決に有効な手段ですが、専門的な知識がなければ不利な条件の示談となってしまう可能性もあります。保険会社は示談交渉のプロです。示談交渉を有利に進めるために弁護士に相談することをおすすめします。
ADR(裁判外紛争解決手続)
ADR(裁判外紛争解決手続)は、専門家が仲介役となり和解のあっせんをしてくれる手続きです。ADRを利用すると、専門家が仲介してくれるため専門的知識の不足による不利な示談の心配はなくなります。慰謝料の金額についても、裁判基準で算定されます。しかし、和解あっせんの内容に強制力はありません。また、厳格な証拠調べ手続がないため、複雑な事案の解決には向いていません。
交通事故のADR(裁判外紛争解決手続)機関として「交通事故紛争処理センター」が各地に点在しています。
民事調停
民事調停は、調停委員が仲介役となり、当事者の合意による解決を目指す手続きです。調停を利用した場合も、専門的知識の不足による不利な合意が成立する心配はなくなります。さらに、合意が成立した場合の調停調書には強制力が認められます。しかし、調停委員は、必ずしも交通事故の専門家が選ばれるとは限りません。ADRとは異なり、費用もかかります。
民事裁判
民事裁判は、裁判所の判決による紛争の解決を目指す手続きです。民事裁判では判決による最終結論が下されるので、他の方法では解決できない場合の最終手段として利用されます。
民事裁判で勝訴判決を得ると、慰謝料は裁判基準で算定されるだけでなく、遅延損害金や弁護士費用も認められます。ただし、民事裁判を自分自身で行うのは難しいでしょう。民事裁判を行うには弁護士への依頼が必要で、解決までの時間もかかります。
交通事故で裁判になりやすいケース
交通事故で裁判になりやすいケースとしては、次の4つが挙げられます。
- 他の解決方法では解決できないケース
- 事故態様に争いがあるケース
- 損害賠償額が多額になるケース
- 後遺障害の認定に争いがあるケース
他の解決方法では解決できないときには、最終手段として民事裁判が利用されます。
事故態様に争いがあるケースでは、証拠に基づく詳細な事実認定が求められます。他の解決方法では、厳密な証拠調べの手続がないため、事実の争いがあるときには裁判での決着となるケースが多くなるでしょう。
損害賠償額が多額になるケースでは、保険会社が支払う金額を少しでも減らすために合意が成立しにくくなります。被害者が適正な損害賠償を得るには、裁判による解決を目指すケースも少なくありません。
自賠責による後遺障害の認定に納得できない場合、通常は異議申立てで認定結果を争います。しかし、異議申立ての結果にも納得できないときは、裁判で認定結果を争うこともできます。
交通事故裁判の流れ
交通事故の裁判は、次の流れで進行します。
訴訟を提起するには、主張をまとめた訴状を作成して証拠と共に裁判所に提出します。
訴状の提出から1~2か月後に最初の口頭弁論が開かれます。その後は、1~2か月に1度のペースで争点整理手続が行われることになるでしょう。
争点整理が終わると、裁判所から和解案が提示されます。双方が和解案に応じれば和解が成立し、和解が成立しないときには尋問手続き(証拠調べ)が行われます。
訴状を提出してから判決が出されるまでには、半年から1年ほどの期間が必要です。
交通事故の裁判は弁護士への依頼がおすすめ
交通事故の裁判が必要となったときには弁護士に依頼することをおすすめします。
裁判では、法律に基づく主張を証拠によって立証しなければなりません。交通事故の裁判で適切な主張と証拠の提出をするには高度の専門知識が必要です。自分自身で裁判を進めると、必要な主張や欠かせない証拠の提出ができずに不利な結果となってしまう可能性があります。
示談による解決が難しい場合や示談の内容に不安があるときには、交通事故の知識と経験が豊富な弁護士に相談してみてください。
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