交通事故被害に遭った場合、保険会社とどんなやり取りをするのか?

交通事故の被害に遭った場合、自分や相手の保険会社とやりとりをする必要があります。では、具体的にはどのようなやりとりがあり、どのような対応が必要なのでしょうか。
本記事では、交通事故被害に遭った場合に保険会社とどんなやり取りをするのかについて解説します。
交通事故の被害に遭った場合の保険会社との関わり
交通事故の被害に遭った場合、自分の保険会社と相手の保険会社の両方とやりとりをすることになります。
交通事故の被害に遭ったことに基づく加害者に対する損害賠償の支払いを行うのは相手の保険会社です。もっとも、自分の保険で利用できるものがある場合もあるので、自分の保険会社ともやりとりが必要です。
自分の保険会社とのやりとり
交通事故の後は、負傷者の救護、事故現場の安全確保、警察への通報を行います。その後、自分の加入している保険会社に連絡をします。
自分の加入している保険会社は、自分にも過失がある場合に相手との交渉を代行したり、弁護士に依頼する際の弁護士費用を補償したり、交通事故の被害を補償する制度を提供している場合があります。そのため、交通事故現場で一通りのことが終わったら連絡をします。連絡の際には、以下の事項を伝えます。
- 自分が加入している保険の証書番号
- 運転者の氏名・生年月日・住所・連絡先・車両の登録番号
- 交通事故について(発生日時・場所・ケガ人の有無・車両の損傷)
- 相手方について(氏名・住所・連絡先・車両の登録番号)
このときに自分が利用できる保険や特約(人身傷害保険、車両保険、搭乗者傷害保険、弁護士費用特約など)があるか確認しましょう。
自分にも過失がある場合には保険会社が代理してくれるのですが、保険会社同士の交渉では低い額での示談をしてしまうこともあるので、注意が必要です。特に後遺症が残るような大きな事故である場合には、後遺障害等級認定をしっかり行う・慰謝料をきちんとした金額で計算しなおして交渉するなどしないと、大きな損失につながるので注意しましょう。
相手の保険会社とのやりとり
相手の保険会社とは次のようなやりとりがあります。
ケガの治療について
ケガの治療についてやりとりをします。
ケガの治療については被害者と病院の契約であり、そこでかかったお金は損害として加害者に請求することになります。この費用について保険会社が通常支払ってくれるので、その支払いについての連絡をすることになります。なお、被害者の過失が大きいケースでは治療費の支払いを拒まれることもあるので注意しましょう。
大きな事故ではケガの治療が長期間にわたることもあります。この場合保険会社から治療費の支払いの打ち切りを打診してくることがあるので注意が必要です。治療の終了を決めるのは医師であり、保険会社ではないので、治療の必要性をきちんと説明します。
後遺障害等級認定
後遺症が残り、これ以上治療しても改善しない状態になると、「症状固定」と判断されます。その後、後遺障害等級認定が行われます。
後遺障害等級認定については、自分で認定の手続きを行う被害者請求と、保険会社に任せる事前認定の2種類があります。事前認定では、保険会社に任せることができ、手続きが早く終わるという利点がありますが、自分に有利となる認定のために尽力してもらえない可能性があります。むちうちのような認定が難しいものについては弁護士に相談しながら被害者請求を行うことをおすすめします。
保険会社とのやりとりでは、事前認定を行う場合、必要な資料の提出が求められます。一方、被害者請求をする場合は、その意思を伝えるだけで済みます。
示談交渉
治療が終わり、後遺障害等級認定も終わると、相手の保険会社と示談交渉を行います。
保険会社から示談金についての提示があるので、それに対して反論・返答する形でやりとりが行われます。保険会社が提示する示談金は、いわゆる「保険会社基準」と呼ばれる低い基準で算定されることが多く、認定されるはずのない過失割合で示談金を提示してくることがあります。そのため、提示された細かい内訳について、裁判で損害として認定される額がいくらになるのかをきちんと精査する、過失割合についてきちんと調べるなどする必要があります。
まとめ
本記事では交通事故被害に遭った場合、保険会社とどんなやり取りをするのかについて解説しました。
保険会社といっても、自分の保険会社と相手の保険会社の両方とやりとりをする必要があります。損害賠償・示談については相手の保険会社との交渉になります。相手の保険会社は、自社の支払額をできるだけ抑えようと交渉をしてくるため、言われた通りにしていると本来受け取れるはずであった示談金を受け取れません。そのため相手方保険会社の主張については必ずきちんと精査する必要があります。
また、相手方保険会社とのやりとりは治療の段階から始まるため、できる限り早い段階から弁護士に相談しておくようにしましょう。