失業中でも休業損害を請求することはできますか?
失業中に交通事故を起こしました。求職活動も中止せざるを得ず、生活費を稼げず困っています。休業損害を請求することはできますか?
失業中であっても条件を満たせば休業損害を請求できる場合があります。
失業中で収入がない状態で交通事故に遭った場合でも休業損害を請求できる場合があります。
しかし求職中の方は収入がない状態のため休業損害でもめることが多いです。なぜなら、休業損害というものは事故による怪我の治療(入院や通院)によって働くことができず、収入が減ってしまったことによる損害のことをいうためです。
失業中であれば収入がそもそもないために基本的に休業損害は認められません。しかし、いくつの条件を満たすケースでは認められることがあります。揉めることが多い休業損害についてですが、支払いされるケースは大きく分けて2パターンあります。
家事従事者として認定される場合
1つ目のパターンは家事従事者として認定される場合です。家事従事者というのは言葉のとおり家事に従事するという意味合いで主婦(男性の場合は主夫)が当てはまります。
仕事をしていなくても家族がおり、主に被害者自身が家事をしているということであれば休業損害の支払いを受けられます。その場合は家族構成や主に家事を担っているのが誰なのかということが判断基準となります。よって、男性でも家事を主に担っているということであればもちろん認められるケースもあります。
申請時には保険会社より家族構成がわかる資料など必要な書類などの提出を求められることがあります。場合によっては家族構成の確認の為に公的書類として住民票の提出を求められることもあります。家事従事者として認定された場合でも日額の認定金額は一定というわけではありません。保険会社との交渉によって変動があります。
まず、「自賠責基準」という自賠責保険で補償されている最低限の基準があります。次に「任意保険基準」という各保険会社が設けている保険会社が示談時に提示してくる基準です。最後に「弁護士基準」という裁判例に基づいて算出される基準があります。この中で一番低い基準が「自賠責基準」、その次に「任意保険基準」、そして一番高い基準が「弁護士基準」となります。家事従事者としての休業損害の認定金額で弁護士基準が採用されるのは弁護士が介入しないと難しい場合がほとんどです。
求職中で怪我によって就労できないと認定される場合
2つめのパターンは求職中ではあるものの、就労の意欲や能力があり怪我によって就労できないということが認められるケースです。
すでに内定先が決まっているケースはさらに休業損害が支払いされる可能性が高いです。内定先の内定通知書や雇用契約書などを元に金額の算出が行われるケースもありますので資料は用意しておくようにしましょう。
また、求職活動中であっても前に働いていた職場での金額を元に休業損害が算出されることがあります。前職での給与を元に算出してもらう場合には前年度の源泉徴収票などが必要になってくるため必要書類はしっかりと確認することが大切です。
また、賃金センサスというものを元に計算される場合があります。賃金センサスとは性別や年齢学歴、職種などを元にして厚生労働省が出しているものになります。算出については表を確認し計算する必要があります。詳しくは実際の状況に応じての対応となります。
まとめ
このように失業中の休業損害の請求、支払い金額については様々なパターンがあり揉めてしまう場合が多いです。保険会社との煩雑なやり取りや書類の取り交わしを避けるためにもまずは交通事故の専門知識がある弁護士へ相談をしましょう。
休業損害の金額や認定される日数については弁護士の交渉次第で変動するケースがほとんどです。自身で交渉するよりも弁護士に依頼した方がスムーズですし、保険会社と交渉するにも知識がないとうまく交渉ができないケースが多いです。失業中で金銭面の苦労がある中だからこそしっかり支払いされるものは受け取りたいですよね。
失業中で金銭面の余裕がないと思われる方もいるかもしれませんがご自身が加入されている保険に弁護士費用特約の付保がある場合は相談料、着手金や報酬金は弁護士費用特約にて支払いされ、自己負担なく対応できる可能性があります。保険内容を今一度確認し信頼のおける弁護士へ相談してみましょう。