ドライブレコーダーが交通事故の賠償問題に与える影響

ドライブレコーダーが交通事故の賠償問題に与える影響

近年、ドライブレコーダーを搭載した車両が増加したことで、交通事故の示談交渉や裁判でドライブレコーダーの記録が利用されるケースも増えてきました。

ドライブレコーダーは、交通事故の裁判で証拠として利用できるのでしょうか。賠償問題にどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、交通事故とドライブレコーダーの問題について、そもそもドライブレコーダーを証拠として利用できるか、ドライブレコーダーの活用が有効なケース、ドライブレコーダーを証拠とする際の注意点などを解説します。

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目次

ドライブレコーダーは交通事故の証拠となるか

裁判の証拠については、「証拠能力」の問題と「証明力」の問題を分けて考える必要があります。

証拠能力」は、裁判で証拠として採用されるのに必要な資格のことです。そして、「証明力」は、証拠能力があることを前提に、証拠として役に立つ程度のことを言います。

ドライブレコーダーは、隠し撮りや捏造による不法なものでなければ、原則として証拠能力が認められます。さらに、ドライブレコーダーによって記録された映像は、客観的に事故の状況を記録したものであるため、証明力も高いと判断されることが多いでしょう。

ドライブレコーダーを証拠として利用する際には、映像の編集をせずにそのまま利用すべきです。映像を編集すると、都合の悪い部分をカットしたと疑われて、不利な事実を認定されたり、証明力が低いものとして扱われたりする可能性があります。

ドライブレコーダーの活用が有効なケース

交通事故の示談交渉や裁判でドライブレコーダーを活用するのに、特に有効なケースとしては次の3つが挙げられます。

ドライブレコーダーの活用が有効なケース
  • 事故状況について当事者間で争いがあるケース
  • 被害者が事故状況を説明できないケース
  • 当て逃げ・ひき逃げに遭ったケース

それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

事故状況について当事者間で争いがあるケース

交通事故の示談交渉や裁判で賠償金の額を決めるには、前提として事故状況を明らかにしてそれぞれの過失割合を認定する必要があります。

事故状況について当事者間で争いがあるケースでは、現場の状況や目撃証言などから事故状況を認定することになりますが、ドライブレコーダーがあれば事故状況を映像で確認できます。

事故状況がドライブレコーダーにはっきりと記録されていれば、事故状況を認定する決定的な証拠として利用できる可能性も高いでしょう。

被害者が事故状況を説明できないケース

交通事故の被害者が意識を失って事故の状況を記憶していなかったり、死亡していたりした場合には、加害者の主張により被害者にとって不利な事故状況が認定されてしまう可能性もあります。

ドライブレコーダーの記録があれば、被害者に代わって事故状況を説明する役割を果たせます。加害者が自分にとって都合の良い主張をしても、映像記録と矛盾する主張は認められなくなるため、被害者に不当に不利な認定がされてしまうことを防止できます。

当て逃げ・ひき逃げに遭ったケース

交通事故の示談交渉や裁判を進めるには、加害者を特定しなければなりません。ドライブレコーダーの映像に、加害者車両が記録されていれば加害者を特定する重要な証拠となります。

当て逃げ・ひき逃げに遭ってしまったときは、警察にドライブレコーダーの映像を提供して、捜査の進捗を見守りましょう。

ドライブレコーダーを証拠とする際の注意点

ドライブレコーダーの記録を証拠とする際は、次の3つの点に注意しましょう。

ドライブレコーダーを証拠とする際の注意点
  • 警察に提出する際はデータを手元に残しておく
  • 相手車両のドライブレコーダーを提出させるのは難しい
  • 不利な証拠となる可能性もある

それぞれについて詳しく解説します。

警察に提出する際はデータを手元に残しておく

警察にドライブレコーダーの記録を提出する際は、手元にもデータを残しておくようにしてください。

警察の捜査と、示談交渉や民事裁判は別の手続きです。警察に記録を提出してしまうと簡単には返してもらえないため、示談交渉や民事裁判で利用するためのデータは残しておきましょう。

相手車両のドライブレコーダーを提出させるのは難しい

裁判所の提出命令がない限り、ドライブレコーダーの記録を証拠として利用するか否かは、記録を持っている人の自由です。

相手車両にドライブレコーダーが設置されていたときでも、強制的に記録を提出させることはできません。ドライブレコーダーにこちら側にとって有利な映像が記録されている可能性があるときには、裁判で裁判所に提出命令を出してもらう必要があります。

不利な証拠となる可能性もある

ドライブレコーダーの記録に高い証明力が認められるのは、事故状況を客観的に記録しているからです。

自分が提出した記録であっても、自分にとって不利な事故状況が記録されていたときには、不利な証拠となる可能性もあります。不利に扱われることを恐れて、不利な部分をカットしたり不自然な編集を加えたりしたときには、証明力が低くなってしまったり、そもそも証拠能力が認められなくなったりする可能性もあるでしょう。

ドライブレコーダーの記録を提出する際は、事前に自分にとって有利な証拠として活用できるかを検討してください。

まとめ

ドライブレコーダーの記録は、事故状況を客観的に記録したもので証拠としての価値が高いです。加害者との示談交渉や裁判では、ドライブレコーダーの記録を利用することで有利に進められることもあるでしょう。

記録を有効に活用するには、専門家のアドバイスを受けることも重要です。交通事故の交渉やドライブレコーダーの利用について不安のある方は、弁護士に相談することをおすすめします。

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