自動車と自転車による交通事故の特徴や過失割合について

自動車と自転車による交通事故の特徴や過失割合について

自動車と自転車の事故では、一般的に自動車の過失割合が大きく認定されやすいです。しかし、事故態様によっては自転車側の過失割合が大きくなることもあるので、過失割合はしっかりと交渉したうえで決めるべきでしょう。

自転車は自転車保険に加入していないことが多いため、自転車側に過失があるときには賠償問題で揉めてしまうケースも少なくありません。

この記事では、自動車と自転車による交通事故に遭ってしまった際に知っておくべき「自動車と自転車による交通事故の特徴」や「過失割合の決まり方」などを紹介しています。

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目次

自動車と自転車による交通事故の特徴

自動車と自転車による交通事故の特徴

自動車の過失が大きく認定されやすい

自動車と自転車の事故では、自転車の方が大きな被害を受けやすいです。交通事故の過失割合を認定するに際しては、より危険性のある側の過失を大きく認定するというルールがあります。そのため、基本的にはより危険性のある自動車側の過失が大きく認定されることになるでしょう。

ただし、自動車と自転車の事故であっても、事故態様によっては自転車側の過失が大きく認定されることもあります。最近では、自動車にドライブレコーダーが搭載されていることも多く、ドライブレコーダーの活用によって自動車側の過失が低く認定されるケースも少なくありません。

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自転車が自転車保険に加入しているケースは少ない

au損保の調査によると、2023年度の自転車保険加入率は全国で65.6%でした。自転車保険については、全国でも加入が義務化されている地域とされていない地域があり、義務化されていない地域では、加入率が50.9%とおよそ半分に止まっています。

自転車保険の加入については、義務化されている地域でも罰則規定はなく、加入率の大幅な増加には課題があると言えるでしょう。

自転車保険に加入している人でも、賠償額の上限が十分とは言えないケースも少なくありません。事故の内容によっては、賠償額が大きく跳ね上がるケースもあるため、自転車を運転するに際しては、補償内容が十分な保険に加入しているかを今一度ご確認ください。

自転車保険に加入していない場合、自動車側は十分な補償を受けることができず、自転車側としても大きな支払い義務を抱えてしまう可能性があります。

過失割合の決まり方

自動車と自転車の事故の過失割合は、基本過失割合修正要素によって算定されます。

基本過失割合は、過去の裁判例の動向や傾向を分析して、事故の状況によって基本となる過失割合を示したものとなります。修正要素は、属性や過失などに応じて基本過失割合から加算・減算する要素です。

基本過失割合

信号のある十字交差点

信号のある十字交差点で出会い頭の接触事故を起こした場合、信号の色によって基本過失割合が判断されます。

信号のある十字交差点:自動車と自転車
信号のある十字交差点:自動車と自転車

信号のない十字交差点

信号のない十字交差点で出合い頭の接触事故を起こした場合、直進・右左折、一時停止規制の有無や道路幅、左方優先によって基本過失割合が判断されます。

左方優先とは、信号機がない十字交差点では左側からの車両が優先されることを指します。

信号のない十字交差点:自転車と自動車
信号のない十字交差点:自転車と自動車

修正要素

上記で紹介した事故状況別の基本過失割合に修正する形で過失割合を算定します。

過失割合が減算される場合
  • 児童(6歳以上13歳未満の子ども)
  • 高齢者(65歳以上)
過失割合が加算される場合
  • 高速度進入
  • 著しい高速度進入
  • 著しい過失
  • 重過失

著しい過失には次のようなものがあります。

  • 片手運転
  • 夜間無灯火
  • 二人乗り
  • 音楽を聴きながらの運転
  • 酒気帯び運転
  • 携帯電話の使用など

重過失には次のようなものがあります。

  • 酒酔い運転
  • ブレーキの整備不良など

さいごに

自動車と自転車の交通事故では、交通ルールを守っていたとしても自動車側の過失割合が大きくなることが多いです。理不尽に感じることもありますが、自動車を運転する上では許容する必要のある責任となります。

自動車を運転するなら必ず自動車保険に加入して、できれば弁護士費用特約を付けておくと良いでしょう。交通事故被害にあった際には交通事故に強い当事務所へぜひご相談ください。

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