整形外科で診断書を書いてもらえない場合どうすればよい?
人身事故で通院を続けています。症状の改善が見られないので主治医に後遺障害診断書の作成を依頼したら、拒否されました。なぜ診断書の作成を拒否されてしまったのでしょうか?診断書を書いてもらうにはどうすればよいでしょうか?
医師が後遺障害診断書の作成を拒否する理由はさまざまです。たとえば、病院に通院せず整骨院にばかり通院していた場合や転院直後の場合には、治療の経過を把握していないことを理由に診断書の作成を拒否される可能性があるでしょう。
とはいえ、後遺障害認定の手続きを進めるには、医師による診断書が必要不可欠です。どうしても診断書を書いてもらえないときは、弁護士に相談してください。医師を説得して診断書を書いてもらうなどして後遺障害認定の手続きを進められます。
交通事故の診断書が必要な場面
交通事故の治療や示談交渉を進めるうえで診断書が必要な場面としては、次の3つが挙げられます。
- 保険会社や自賠責保険から治療費の支払いを受ける場面
- 警察に人身事故の届出をする場面
- 後遺障害認定の申請をする場面
このうち、後遺障害認定の申請については「後遺障害診断書」と呼ばれる特別な診断書が必要になります。交通事故から期間を空けずに医療機関を受診した場合、通常の診断書の作成を拒否されるケースはほとんどありません。しかし、後遺障害診断書については、作成を拒否されるケースもあります。
診断書が必要な場面や記載内容などは、下記の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由と対処法
医師が後遺障害診断書の作成を拒否する主な理由として、次の3つが挙げられます。
- 症状固定ではないと判断している
- 治療の経過を把握していない
- 後遺障害がないと判断している
それぞれの理由について、対処法とともに詳しく解説します。
症状固定ではないと判断している
医師が症状固定ではないと判断している場合は、治療を継続してもらうために後遺障害診断書の作成を拒否されることがあります。
症状固定とは、交通事故の治療を継続しても、これ以上の症状の改善を見込めない状態のことです。後遺障害認定は、治療中ではなく症状固定してからでなければ申請できません。
症状固定になっているか否かについては、基本的には医師の判断に従うべきです。医師が症状固定になっておらず治療を継続すべきと判断しているのなら、その判断に従ってください。治療を継続して症状固定の時期になれば、診断書を作成してもらえるでしょう。
治療の経過を把握していない
医師が具体的な治療の経過を把握していない場合には、診断書の作成を拒否される可能性があるでしょう。
引っ越しで病院を転院した直後の場合や病院に通院せずに整骨院に通院していた場合、医師としては詳しい治療の経過を把握できません。治療の経過がわからなければ、現在の症状や治療による改善の見込みについて正確な診断をするのは難しくなってしまいます。
転院直後の場合の対処法として、次の2つが挙げられます。
- 転院先の病院で通院を継続した後で、診断書の作成を依頼する
- 前の病院から治療経過がわかる資料を取り寄せたうえで、診断書の作成を依頼する
病院に通院せず整骨院ばかりに通院していたケースでは、そもそも、後遺障害を認定してもらえる可能性はほとんどありません。後遺障害認定のためには、病院での受診記録が重要となります。整骨院に通う場合は、医師の許可を得たうえで、月に1~2回以上は医師の診察を受けるよう心がけてください。
後遺障害がないと判断している
医師が現在の症状では後遺障害がないと判断している場合には、後遺障害診断書を作成してもらえないことがあります。
医師としては、自身の治療によって怪我が完治したと診断したい気持ちもあるでしょう。しかし、医師には、後遺障害認定の権限はなく、後遺障害の有無を判断するのは損害保険料率算出機構や裁判所です。
神経症状については、医師に理解してもらえないこともあります。診断書を作成してもらうには、自身の症状をできる限り具体的に伝えたうえで、後遺症が残っていることを理解してもらうことが重要です。そのうえで、後遺障害認定の申請には診断書が必要であり、審査を行うのは医師ではないことを理解してもらえれば、診断書の作成にも応じてもらえるでしょう。
診断書の作成が難しい場合は弁護士に相談を
医師に診断書を作成してもらうのが難しい場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士であれば、医師を説得して診断書の作成をサポートすることができます。医師に加え、法律の専門家である弁護士の助力を得ることで、後遺障害の認定を受けやすい診断書を作成してもらうことも期待できるでしょう。
診断書を作成してもらった後は、後遺障害認定の申請手続きや保険会社との示談交渉も一任できます。診断書の作成でお悩みの方は、ぜひ弁護士までご相談ください。