【解決実績】工夫を凝らした被害者請求により合計約5,000万円を獲得

事例詳細 | |
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事故状況 | バイク対自動車 |
受傷部位・傷病名 | 胸椎錐体骨折など |
後遺障害等級 | 併合7級 |
自賠責基準の場合 | 819万程度 |
保険会社提示額 | 提示前のご依頼のため無し |
最終示談額 | 4,000万円(合計5,000万円) |
依頼のタイミング | 後遺障害申請前 |
弁護士費用特約 | あり |
事故の状況

ご依頼者様が、バイクにて走行中、後方から自動車に追突されたという事故です。
依頼内容

ご依頼者様は、非常に重篤な怪我を負い、通院して治療を受けていたところ、今後の後遺障害申請・示談交渉を見据えてご依頼をいただきました。
対応と結果
今回のご依頼では、①後遺障害申請、②示談交渉が大きなポイントとなりました。
①後遺障害申請について
後遺障害申請には2パターンあります。
- 事前認定
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加害者側保険会社に委ねる方法
- 被害者請求
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被害者側で行う方法
弊所では、被害者側で行う「被害者請求」を採用しています。
被害者請求の最大のメリットは、必要書類を漏れなく被害者側でチェックして用意することができるということです。後遺障害申請において、もっとも重要な書類が「後遺障害診断書」です。こちらは、主治医に作成していただく書類になります。
弊所では、医師に、記入例とともに、実施していただきたい検査や、記載していただきたい項目についてご案内する書類を作成して、ご依頼者様にお渡しするようにしています。
医師は、医学、治療の専門家です。ただ、自賠責の認定において重要な点や、認定の基準などについて専門性を持っているわけではありません。
そのため弁護士として適正な認定を受けることができるように、医師にご案内をするようにしています。
今回のケースでは、「胸椎圧迫骨折により錐体がどの程度潰れたか」ということが最も重要なポイントでした。
この認定はミリ単位です。要件としては以下のとおりです。
8級相当「脊柱に中程度の変形を残すもの」
「①圧迫骨折により前方椎体高が減少し、後弯が生じた場合、すなわち、減少したすべての椎体の後方椎体高の合計と減少後の前方椎体高の差が、減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さの50%以上であるもの」
分解すると以下のようになります。
- 減少したすべての椎体の後方椎体高の合計
- 減少後の前方椎体高の差
※「減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ」の何%か? - 減少した椎体の後方椎体高の1個当たりの高さ
今回のケースでは、「どの数字が何ミリだと要件を満たすのか?」「何ミリだと要件を満たさないのか?」ということを明確にしました。このような工夫により、適切に後遺障害診断書を作成いただくことができました。
②示談交渉
示談交渉では、特に後遺障害逸失利益(事故により後遺障害が残らなければ、将来得られたはずの収入)が問題となりました。特に今回のケースでは、圧迫骨折であり仕事への支障が見えづらく、過去の裁判の事例でも大きな争いになるポイントです。
現在の仕事への支障の程度も踏まえて相手方保険会社と交渉を重ね、結果として4000万円の支払いを受ける示談が成立しました。
訴訟に移行するか否かを入念に検討する
訴訟を起こす前に、入念に見通しを検討する必要があります。当たり前のことですが、訴訟を提起した後は訴訟提起前に戻ることはできません。
相手保険会社も訴訟になった以上、当初提示していた金額を白紙に戻すことはよくあります。裁判例検索サービスでは、他の弁護士が担当した過去の事例を調べることができます。
裁判を起こす前よりも金額が低くなったり、0円になったりしたケースもよく目にします(この種の事案では、いったいどうやってご依頼者様の理解とご納得を得ているのか疑問です…)
ご依頼者様としては、「訴訟も辞さない!」という弁護士の方が、強気な雰囲気で良いのかもしれません。もちろん、訴訟を辞さないことも必要です。
ただ、あくまで弊所の目的は「ご依頼者様の利益を最大化」することです。
訴訟はそのひとつの手段にすぎません。
このような考えから、弊所では、入念に調査検討を行い「過去の事例ではこういう事例があります」「今回のケースでは、訴訟になった場合今の金額よりも下がる可能性が高いです」など、可能な限り見通しをお伝えすべきと考えています。
今回のケースでも、裁判例を多数検討し、ご依頼者様にご説明の上、最終的な示談についてご納得をいただきました。