【解決実績】訴訟において不合理な加害者の言い分を排斥して勝訴的和解

事例詳細 | |
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事故状況 | 自動車対自動車 |
受傷部位・傷病名 | 頸椎捻挫など |
後遺障害等級 | なし(完治したため後遺障害はありません) |
自賠責基準の場合 | 42,090円 |
保険会社提示額 | 0円(加害者に過失なしとの主張及び怪我と事故の因果関係を否認) |
最終示談額 | 約30万円 |
依頼のタイミング | 事故直後 |
弁護士費用特約 | あり |
事故の状況

ご依頼者様が、駐車場内において駐車区画に進入しようとして後進したところ、後方から前進してきた相手方車両と接触した事故です。
依頼内容

ご依頼者様は、事故直後から加害者に怒鳴られるなどして、非常に困惑した様子でお問い合わせをいただきました。お車の件、お怪我の件含め、全面的にご依頼を頂き対応を開始しました。
対応と結果
今回のケースでは、争点が非常に多岐にわたりましたが特に大きな争点としては、過失割合についてとなります。
過失割合は大きく2段階で問題となります。
① どのような事故だったのか(事故態様)、それを証明する証拠はあるか(事実認定)
② ①をもとに、過失割合はどのように考えるべきか
①→②の順番が非常に重要です。
要するに、「どのような事故か分からないのに事故の過失割合は決めようがない」ということです。
今回は、ドライブレコーダーがありませんでしたので①から問題になりました。事故から日も浅かったことから、人身事故に切り替えて警察に実況見分を行ってもらいました。
事故当事者の方に現場立会をしてもらって、警察が実況見分調書という書面を作成するのです。
この実況見分調書は非常に重要かつ強力な証拠となります。

弁護士は弁護士会照会という手続きで実況見分調書を取得することができます。今回の事故でも実況見分調書を取得して交渉を行いました。
加害者側にも弁護士が付いて交渉を行いましたが、加害者側弁護士は全く聞く耳を持たず訴訟を提起してきました。
訴訟においても刑事記録に基づいて主張立証を行いましたが、簡易裁判所での審理であったこともあってか、刑事記録とまったく異なる事故状況を認定しました。
さらに、上記の②事故状況をもとに、過失割合はどのように考えるべきか、という段階においても、過失割合を決定する際に最も参照される書籍である判例タイムズを全く無視して過失割合を認定しました。
そのため判決を不服として控訴したところ、控訴審の裁判官は開口一番で「当方の主張を全面的に認め」無事に和解をすることができました。
相手方に弁護士が付いても、話にならないことも多々あります。
弁護士にもかかわらず、裁判になったらどのような認定になるか、過去の事例がどのように判断されているか、という調査検討が不足している方と当たることがあります。
そのような場合は、粛々と必要な主張立証を尽くしていくしか方法がありません。
弊所では、訴訟に移行する場合の見通しを十分に検討しています。今回のケースでも、最終的な和解の内容と弊所の見通しはほぼ同内容でした。
2年近くの時間が掛かってしまいましたが、最終的には依頼者様にご納得を頂くことができました。見通しを相手方の弁護士と共有することができていれば、2年もかからずに解決できたと思うと、非常に複雑な気持ちがあります。
日々研鑽を積むとともに、最後の解決まで、ご依頼者様に寄り添って対応するように心掛けています。